忍者ブログ
適当に更新中、身内ネタ多。

WRITE | ADMIN

profile
HN:
雅臣・虎太郎
性別:
男性
職業:
高校生
趣味:
ギター
自己紹介:
パンクロックバンドの
ボーカル兼ギタリストやってる。
幼なじみ曰く『優しいバカ』
一応、寺の一人息子だけど養子。
comment
search


忍者ブログ [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



思い出せねーけど嫌な夢を見て、深夜に目が覚めた。
額には汗がにじんでいた。

千夜呼は窓辺に座って、夜空を見上げてた。
今日、この窓からは月も星も見えない。
それでも千夜呼はじっと見つめていた。
その後姿は儚くて、ふっと消えてしまいそうだった。

「千夜呼。」
「…あれ、師匠起きちゃったですか?」
「ん。」

千夜呼はふわりと微笑む。

「なぁ、お前は・・・・どこにも行かねーよな?」
「朝になったらお家帰るですよ。」
「あほ、分かってるくせにはぐらかすなよ。」

一瞬、黒千夜呼の表情になったかと思うと、またすぐいつもの顔に戻った。
行くとも行かないとも答えず、ただ微笑んでた。

「朝までまだ時間があります、寝たほうがいいですよ。」
「・・・・じゃあお前もこい。」
「チャコ寝相悪いですよ?」
「そんなもん今に始まったことじゃねーだろ。」

千夜呼の腕をひっぱってベッドに引きずり込む。
夜風に晒されていたその身体はずいぶん冷たくなっていた。

「体温が足りねー・・・・生きてるよな、お前・・・ちゃんと。」
「・・・はい、とりあえずは。」
「んならいい。」

腕の中の千夜呼の存在を確かめながら、もう一度目を閉じた。

「今日は勝手に帰んなよ。」
「おじさんとおばさんに叱られます。」
「知らね。」
「・・・・・・仕方のない師匠です。」

しばらくの沈黙。

「・・・・何が怖いの?」

黒千夜呼が口を開いた。

「わかんね。」
「淋しいの?」
「・・・・・そうだな。」
「ワタシが、必要なの?」
「うん。」

少しの迷いもなく肯定すると、黒千夜呼は黙ってしまった。

「里栖ではなくて?」
「里栖は里栖で必要、お前はお前で必要。」
「欲張りだわ。」
「悪ぃか。」
「・・・・・・別に。」

また沈黙、そして・・・。

「おやすみなさい。」

いつもの千夜呼か、黒千夜呼。
どっちが言ったのかはわからないが、穏やかな声だった。

「おやすみ。」



そうして今夜、2度目の眠りに落ちる。
静かに、静かに・・・・・。
PR


※ Comment
HN
TITLE
COLOR
MAIL
URL
COMMENT
PASS


※ この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:



Powered by 忍者ブログ  Design by まめの
Copyright © [ 俺様メモ ] All Rights Reserved.
http://kotaroh.blog.shinobi.jp/